- Home
- 鬼丸昌也氏 こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した
鬼丸昌也氏 こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した
こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出したより
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス理事 鬼丸昌也氏
物腰柔らかな語り口とは裏腹に鬼丸昌也氏(特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス理事)の報告は厳しく残酷な世界の現実を我々に突きつける。紛争や少年兵の問題は遠い国で起きている他人事ではなく、まさに我々一人一人が原因を作っているのだと知って初めて「自分の問題」と認識できよう。想像力の欠如や無関心こそが憎むべき世界の敵なのだということを思い知らされたとしても、「何かしなければ。何ができるだろう」と感じる気持ちと、どんな小さなことでも行動に移すことができれば、少しずつでも世界は変わっていくはずだ。<編集部より>
株式会社シーエフエス 特別講演にて。
今日は二つのお話をします。一つは少年兵の話。もう一つは東日本大震災で被災した女性たちの生活再建の話です。
人の顔がみな違うように、一人ひとり受け止め方・解釈の仕方は違います。いろいろ違っていいと思います。それぞれの受け止め方を大事にして、「今の自分に何ができるのか」を考えていただきたいです。この社会や国、会社、家庭には変えた方がいいことがいっぱいあります。限られた時間でいいから、日常から離れた世界の問題に思いをはせる訓練として下さい。今この日本にはそれが必要だと思うのです。
思い込みは問題を見えなくする
私たちが活動しているウガンダという国は赤道直下にありますが、平均気温は摂氏22度です。沖縄より涼しく、海には面していなくとも水もたっぷりあり、農業に適しています。赤道直下だから暑いだろうと思いませんでしたか?それは思い込みです。
あるいはカンボジアには内戦のイメージがありますが、首都プノンペンには有名な観光地であるアンコールワットがあり、日本の銀行も続々と開店していますし、今年イオンショッピングモールもできます。なぜでしょうか?儲かるからです。都市部と農村部の差は大きくなるばかりで、抱えている問題も異なります。支援をしようとすればアプローチが異なるはずなのに私たちはついついレッテルを貼ってしまいます。
思い込みでレッテルを貼ると二つの大事なものが見えなくなります。一つめはどの地域のどんな人たちがどんな課題を抱えているか?何が問題なのかということです。
二つめはその問題を抱えた人たちや地域が「解決したい」と思っている願いや、それに立ち向かおうとする力が見えなくなってしまうのです。問題をきちんと認識することなく、これがいいだろう、こうするといいんじゃないかと押しつけてしまう。知恵のない善意ほど人を傷つけます。知恵とは正しく問題を見る力です。
アフリカは貧しいと思われていますが、ウガンダ南部の都市部は発展しています。一方、ウガンダ北部では政府軍と反政府武装組織「神の抵抗軍」が23年にわたって戦闘を続けました。その間、抵抗軍はたくさんの子どもを誘拐して兵士にしていったのです。その数は、最も少ない統計でも3万8千人、最も多いユニセフの統計では6万6千人と言われています。
私たちは、外務省が「退避勧告」を出し、そこへ行くには海外旅行傷害保険に「戦争特約」をつけて、保険料だけで1日あたり1万6千円以上もかかる2004年のウガンダに少年兵の調査に行きました。
2015/8/15(土)21:15~ NHKスペシャル
戦後70年 ニッポンの肖像 ~戦後70年を越えて 日本人は何ができるのか~
石原さとみは内戦の傷跡が残るアフリカ・ウガンダへ (C)NHK
上記番組で、NPO法人テラ・ルネッサンスが、ウガンダ共和国で実施している「元子ども兵社会復帰支援プロジェクト」を、取り上げられています。女優・石原さとみさんが、ウガンダを訪れ、元子ども兵たちへのインタビューや、交流などを通じて、争いの絶えない世界で、日本人に何ができるのかを、問いかけているそうです。