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- 檜木俊秀氏 経営者・リーダーの資質
専門性と人脈で比較の眼をもつ
檜木俊秀氏
商売人一族に生まれ、白い目で見られながら官僚に。「とにかく変えろ」というリーダー(小泉純一郎元首相)の下で、あらゆる規制とロジカルに戦ってきたのが檜木俊秀氏(パソナグループ 参与)だ。そんな檜木氏が今の時代をどう見ているのか?財政の危うさ、教育の欠陥を指摘し、人脈とは何かを語る。檜木氏によれば「ユダヤ人はどこに行っても迫害される。ある日突然、着の身着のままで放り出されても、生きていけるように教えている」という。自立した子ども、社員を育てる立場であるリーダーのあなたは何をどう教えるべきなのか? <編集部より>
株式会社シーエフエス 特別講演にて。
そんなの儲からん
神戸の出身です。高校の時、周りがみな東京を目指す中で、「関西人なのになぜ」と思っていました。家業を継ぐつもりでいたところ、恩師が「どうせ一生賭けるなら、儲けのためだけではなく、世の中に尽くせ」と言われて、人生観が180度変わりました。ですから商売人の家族からは「そんなの儲からん」とアホ呼ばわりされながら官僚になりました。
規制は地雷、でも目こぼしがある
今日は規制についてお話しします。「医療行為は医師しかできない」という「医師法」というものがあります。それでは「医療行為とは何か」と厚労省に聞くと、それは「他人の体に触れて、繰り返し、業としてお金をとることだ」と言うわけです。ならばエステはどうか?厳密に言えば法律違反ですよ。法律で禁止されているんだけれど、見逃されている。日本にはそういうことがたくさんあります。
規制はどこにでもあるよ、地雷みたいなもの、危ないよ。でも目こぼしがある、まず第一にこれを知っていただきたいです。吉原の真ん中に派出所があったり、パチンコが問題にならない、それが日本です。あらゆるビジネスに法律が絡むので、地雷を踏まないようにしなければならないわけです。
ロジカルに戦え
憲法では営業の自由が保証されています。「規制に引っかかる」と言われても、営業の自由を侵害するには法的根拠がいる。だから根拠が示されなければ、相手にしなくていいいんです。それが2つ目。
文科省とバトルして株式会社が学校を作れるようにしました。さんざん議論して文科省は「株式会社は営利目的だから教育になじまない」とか言うわけです。「じゃあアメリカのハーバード大やエール大は株式会社だがどうなんだ」と迫ると返答に困った。これがロジカルに攻めるということです。
勝つためにどうするか考える
大学の設置条件、株式会社の農業への参入、いろいろやりましたが、やりとりを全てネットでオープンにしました。それがポイントです。戦いはシステムの構築で決まります。勝つためにどうすればいいか?を考えます。相手の意見や回答をそのまま載せて、自分たちがおかしなことを言っていることに気づかせる。闇の中のおかしな論理が結構まかり通っていたりするんですが、それが世間に通用しないことということをわかるようにする。これが大事なんです。綺麗ごとは嫌いです。戦いは勝たなければ意味がありません。
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