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高亜希氏 地域の社会問題をビジネスで解決する社会起業家という生き方 NPO法人ノーベル
- 2015/4/6
- 社会貢献 社会起業・ビジネス
- 在り方, 社会貢献
地域の社会問題をビジネスで解決する社会起業家という生き方
特定非営利活動法人ノーベル 代表 高亜希氏
「誰かが何か問題を感じても、一個人でそれを変えることはできないと思っていた」高亜希(特定非営利活動法人ノーベル 代表)さんだが、周囲の女性の子育てと仕事の両立の問題を自分の大きな問題と捉え、その解決に向けて尽力してきた。悔しい思いや試行錯誤を重ねつつも、先輩、企業、行政を巻き込んで、社会問題解決の仕組みを作ってきた。そして今は「一つ一つの行動の積み重ねによって社会を変えていくという確信に変わった」という。現在の子育てと仕事の両立は女性だけの問題ではなく、企業の生産性低下、貧困やひいては犯罪をも生み出す負のスパイラルをはらんでいるのではないか。経営者にとっても他人ごとではないはずだ。<編集部より>
株式会社シーエフエス 特別講演にて。
共働きが当たり前の時代
私は大学で講演することが多いのですが、まず最初に学生に「将来結婚したいですか?」と聴くんですよ。そうすると9割くらいの学生さんが手を挙げます。次にまた「それでは何歳くらいで結婚したいですか?」と聞きますと平均年齢は26歳から30歳です。男性も女性もです。次に女性に聴くんですが「子どもを育てながら仕事をしたいですか?」そうすると6割強くらいの女性が手を挙げます。男性には「子どもを産んだ後も奥さんに働いて欲しいですか?」と聞きましたら、少し下がって5割くらいになります。学生は男性も女性も「子育てと仕事の両立をしたい」という人の割合が年々上がってきていると実感します。共働き世帯も増えてきていて、それが当たり前の時代になっています。
M字カーブの意味
女性の年齢別労働人口をグラフにして、横軸に年齢、縦軸に人数を取ります。人数の頂点を線で結ぶと真ん中がMの字に凹みます。20代後半から30代前半に向けて下がります。結婚して第一子を産むと6割から7割の女性が仕事を辞めています。学生は「子育てをしながら働きたい」と言っているのに辞めているんです。第一子を産んだら働きたくても働けない、というのが日本の現状です。10人のうちの6人か7人が、仕事か子育てを選ばなければならないということです。
女性はなぜ第一子を産んだら仕事を辞めるのでしょうか?「子どもが夜泣きしたりして仕事と両立ができない」「夫婦二人では物理的に不可能」。データでは、育児休暇を取る男性は100人中2人もおらず、女性に任せきりだと言えます。家事・育児にかける時間も女性の5分の1以下と、ほとんどしないと言えます。夫婦共働きなら働いている時間は同じなのにです。
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