のあっく自然学校 高井啓太郎氏

子どもたちに「ほんまもん体験」を!

西日本を中心に、子どもたちに対して自然体験活動の機会を提供し、キャンプイベント実施団体としては日本屈指の人気と実績を誇る都市型自然学校、「のあっく自然学校」。
今回のゲスト、同校代表の高井啓大郎氏は、キャンプ歴20年以上という大ベテラン。「キャンプの魅力を子どもたちに伝えたい」と長年活動を続けてきた。同校では自然の素材を自分で手に取り、耳で聞き、肌で感じる「ほんまもん体験」に力を入れている。野外活動を通じ、「自ら考え、自ら行動」する子どもたちを育てたい、と精力的に活動に取り組む高井氏にその思いを聞く。<編集部より>

高井啓大郎氏 NPO法人 一般社団法人 のあっく自然学校 代表

企業とNPOとの協働関係が広がれば、日本全体がよくなる

株式会社 シーエフエス 代表取締役 藤岡俊雄(以下、藤岡): 今日は高井さんのお話を聞かせていただき、勉強したいと思います。
私が理事長を務める「経営実践研究会」で学ぶ経営者が、日々増えています。経営者というのはマネーゲームのために、これまで世の中にたくさんの悪いことをしてきています。
「公益資本主義推進協議会」を中心とした私たちの活動は、日本型資本主義である公益資本主義(顧客・取引先・地域社会などステークホルダー全般への貢献を主体とする、新しい資本主義の形)を作り上げ、世界に発信していくことを目的としています。
世界的に見ても、日本は長寿企業が圧倒的に多い国ですので、その位置づけができます。
企業とNPO(特定非営利活動法人。非営利での社会貢献活動や慈善活動を行う市民団体)との協働を作り上げていくことによって、企業が信頼され、逆にNPOは企業の力を活用する。この循環が日本中に広がれば、日本全体がよくなるのは間違いない。
まず、これを周知することを目標にやっています。

活動の中では、さまざまなNPOやNGO(非政府組織。民間の立場から、利益を目的とせず世界的な問題に取り組む団体)の方々と協働していきたいのですが、そのためにはどのようなNPOが存在していて、どのような活動をしているのかを、私たちが知る必要があります。
経営者が次々ここに来て勉強するという訳にはなかなかいきませんので、今日お話しさせていただいた内容を、私たちの「在り方大学」WEBサイトで記事にさせていただきます。
記事を見て、NPOの活動に興味を持った企業が現れれば、私たちの事務局を通じて、NPOと企業との出会いを作ることができます。

私たちは主に、出会うこと、学ぶこと、実践することを活動として行っています。
「実践」部分の例で、大手飲料メーカーさんが私の財団と組んで自動販売機を250台設置しましたが、ここから年間500万円の寄付が来ています。
我々と関係のある全国に数千社という企業が同じような仕組みを導入してくだされば、年間2,000万円、3.000万円の寄付が上がってくる可能性があります。
私たちにはそのようなインフラ(産業・社会基盤)がありますので、NPOさんから見たら、いかにインフラを活用するかということが大事になってきます。
しかし、企業とNPOの関係構築では、企業にただ何かをしてもらおうという訳ではなく、逆に「私たちNPOは、企業の信用・信頼に貢献できますよ」というつながりを今後作っていこうと考えています。

キャンプの主役は子どもたち

のあっく自然学校 写真一般社団法人 のあっく自然学校 高井 啓大郎(以下、高井): なるほど。では、私たちの活動である「のあっく自然学校」の紹介をさせていただきます。
「のあっく自然学校」は、子どもたちに小さいうちからパラグライダーやキャンプを体験してもらうことを目的とした、会員制の野外活動クラブです。
現在、2,300人ほどの子どもキャンプ会員がいます。大阪、兵庫、岡山に拠点があり、岡山には茅葺(かやぶき)の古民家も持っています。

私自身が5歳からキャンプなどの野外活動をしていまして、将来は指導者になりたかったのです。現在は子どもたち相手に、一年中野外活動に勤しんでいます。

「のあっく」は変わった名前と思われるかもしれませんが、「寝屋川市アウトドアクラブ」のことです。
元々は、寝屋川市の青少年育成を目的として、1994年に設立した団体です。
2004年10月にNPO法人格を取得し、11年間活動していましたが、2014年からは一般社団法人の自然学校という形で活動することになりました。
キャンプ理念は「子どもたち中心にキャンプをやっていこう」というもので、プログラムは準備するけれど、行った先で何かしたいと思ったら、スケジュール変更をどんどん行うスタイルで運営しています。
常に「私たちの学校でなければできないことをやろう」と思っています。

子どもたちには、キャンプの機会に幅広い地域の友だちを作り、世界を広げてほしい。
子どもたちが集まると、大阪と岡山の子どもたちはよく喧嘩(けんか)をするのですが、これはお互いの言葉が方言なので汚く聞こえるからのようですね。
一方、兵庫の子どもたちは、いつも一歩引いて見ている感じです。
しかし、時間が経つと喧嘩していた大阪と岡山の子が仲良くなる。面白いものですね。

スキーの本場カナダで「ほんまもん体験」

のあっく自然学校 高井啓太郎氏高井: では、私たちの主な活動はと申しますと、学校の長期休暇に合わせ、夏休みはキャンプ、子どもパラグライダー、琵琶湖自転車一周、ボート川下りなどを開催しています。
冬休みはスキー、雪遊び、星の観察などを行っています。
春休みにも、日程は短いですがスキーなどをやっているので、ぜひ来てほしいですね。

現在力を入れているのは、10人前後の子どもたちをカナダに連れていく「カナディアンスキースクール」です。当校唯一の海外プログラムです。
スキーの後は、子どもたちで食事当番を決め、現地のスーパーで買い物をして料理を作ってもらっています。
事前に日本で、どんな料理を作るか子どもたち自身が考えてから渡航しますが、カナダは何しろ食品の量が多いので、子どもたちは例外なくカルチャーショックを受けます。
例えば牛乳が4リットルからしか売ってなかったり、アイスはバケツみたいな容器に入って売っていたりすることに驚きます。
これも、子どもたちに異なる価値観を感じ、刺激を受けてもらおうというのがねらいです。

最終日には、バンクーバーの市内見学をします。
駅で自動販売機で切符を買って電車に乗ろうとすると、カナダには改札口がありません。「全員が切符を買って当たり前」という考えが根付いていて、とてもいいなあと思いました。

0歳から参加できる多彩なプログラム

高井: 学校が長期休暇以外の時期には、土日を利用した週末プログラムを開催しています。
まず、日帰りで近郊に赴き、身近な動植物や自然について学ぶ「のあっくクラブ」。
当校オリジナルテキストを使いながら、野外体験を通じて季節を感じるプログラムです。

次に、0歳からの就学前の親子で参加いただく野外教育プログラム「森のようちえん」。これはお陰様で人気が出て、キャンセル待ちが続いています。
「森のようちえん」では決められたスケジュールは何もなく、15分で歩けるようなところを2時間かけて歩いたり、崖を登ったり、土を掘ったり、どんぐりを拾ったりします。
また、私たちは子どもたちのアレルギーと野外体験の関係、土踏まずと50メートル競走の記録の関係についても研究を始めています。

皆で意見を出し合い、協力しながら自然体験

のあっく自然学校 高井啓太郎氏高井: 岡山県津山市には、自然学校の岡山校として、歴史ある茅葺(かやぶき)屋根の古民家「おおすぎ」があります。
古民家を購入して自分たちで改修し、自然体験活動施設としての活用だけでなく、民宿や食堂としても使っています。保健所の許可も持っています。
古民家では、最初から派手に活動するのは難しいので、まずは地元に溶け込もうということから始めました。次第に、子供たちが地元の方から野菜をもらって帰ってくるようになりました。

そして、木を切り出すところから始めて「茅葺き旅館おおすぎ」の看板を立て、一般の方も泊まれるようにしました。
ここは元々、村役場だった施設なので、いろりの部屋、食堂などを作りました。

2008年には「森の大工さんキャンプ」というイベントを実施して、子どもたちと一緒に食堂の机も作りました。食堂を整理して設計図を作成するところから始め、みんなで木を運び、メジャーで計測、ノコギリで切って、ビス打ちと協力して机を作り上げました。
キャンプの際には40人くらいの子どもが雑魚寝し、夏はすぐ裏の川で遊ぶこともできます。

現在は古民家「おおすぎ」を拠点に、小学生までを対象に1泊2日の「のあっくダッシュ村」という野外活動をしています。
これは年間8回にわたる継続的なプログラムで、定期的に岡山に来て、四季折々の自然を感じながら、自分たちで畑を耕し、手入れをして育てた野菜を収穫して食べるということも行っています。

学校や地域、企業と連携し、広がる活動の幅

のあっく自然学校 高井啓太郎氏高井: 私どものスタッフは、平日には小学校のサポートに行ったり、障害のある子どもたちや進学校などのプール授業のサポートを行ったりという活動をしています。
林間学校を私たちが指導しているところもありますし、年度始めの4~5月には、社員研修の一環で、コミュニケーション能力向上を目的に野外研修を実施されるところもあります。

社員は5人ですが、それとは別に、子どもたちの一番の理解者としてキャンプで行動を共にする、大学生の「ボランティアカウンセラー」がいます。
ボランティアの方々には研修に参加していただくのですが、これも基本的には平日に行います。ボランティア研修ではホームシックへの対応をしたり、救急法の検証をしたり。子どもたちの前に立つからには、救急法講習を受けることが必要です。救急法については、全スタッフが使えるようにしています。

キャンプは成長のきっかけづくり

藤岡: ありがとうございます。では、「のあっく自然学校」の一番の特長は?

高井: 「のあっく自然学校」の一番の特長は、子どもたち中心のキャンプをするということです。
しかし、子どもたちだけが喜んで帰ればいいかというとそうではありません。
私たちが実施したいのは、あくまで教育としてのキャンプ。ですから、キャンプではマナーも結構厳しく教えています。
例えば、「食事中にトイレに行くのは禁止」、「手を付けた食事は残してはいけない」などです。

子どもたちは成長します。キャンプから帰った5歳の子が、家で靴を揃えるようになったと言います。
しばらくしたら、その子はまた靴を散らかすかもしれない。でもまた次にキャンプに来たら、帰宅後には前回より長い期間、靴を揃えられるようになるかもしれません。
つまり、キャンプは子どもの成長のきっかけづくりなのです。キャンプに継続して来てもらい、子どもたちが少しでも変わってくれるといいなあと思います。

子どもたちに「ほんまもん体験」を与えたい

のあっく自然学校 高井啓太郎氏藤岡: なるほど。「のあっく自然学校」については結構分かってきましたので、次は高井さんのことを教えてください。
この事業を始める前は、どのようなことをされていたのですか。

高井: 市役所の野外活動センターで働いていました。しかし、野外活動と言っても、柵で囲まれた安全なところでやっているのです。そして活動が次第にマンネリ化していきました。
雪を見たり、忍者村に行ったりという活動もしたかったのですが、行政ですとそれは厳しい。
そういった理由から、自分でNPOを立ち上げました。
社会人になった後、大学院生として1年勉強し、アメリカ、カナダのキャンプ場を回りました。その結果、日本型のキャンプにしたいと思いました。

藤岡: 何年間かは、経営が大変な時期もあったのですか。

高井: 2年間、私は無給料でやっていました。自分以外のスタッフには当然給料は支払いました。

藤岡: こういった事業の成功事例をどんどん作ってほしいですね。
キャンプのイベントなどは、旅行会社と組んでやっておられるのですか?

高井:私たちは旅行がしたいのではなく、キャンプを開催したいのですが、NPOの法律はまだまだ整備されていなくて、キャンプと言えど旅行業法に触れてしまうことが分かりました。そのため、手数料を払い、他のところに仕事を委託する、請負業にするなどの方法を採るしかありませんでした。
これは私がやりたいことではありません。ですから、NPOから一般社団法人に変更しました。

自然学校がなくなることが最終目標?!

のあっく自然学校 高井啓太郎氏高井:社会課題の解決をめざす組織は、最終的になくなることが本当の解決だと私は思います。
ですから、長期的な視点で見れば、私たちの仕事がなくなることが最終ゴールです。「のあっく自然学校」も解体することが目標ですね。

中長期的な事業目標は、3つの社会問題の解決です。
例えば貧困の問題。キャンプに参加したくても、金銭的な問題から参加できないという子どもが増えています。私たちは、金銭的困難を抱える家庭の子どもも参加できるように、そういった家庭からのキャンプ参加者に支援金を出すことにしました。30万円があれば、25人ほど招待できます。
しかし、何を基準に対象者を選ぶのかということや、募集の広報が行き届かないなど、さまざまな問題がありました。この問題については、今も検討中です。

藤岡: 二番目に取り組む問題は、どのようなことですか。

高井: 子どもたちの社会問題。野外活動に来た子どもが、火に手を入れて火傷をしてしまう。子どもは家電製品の普及で、火を知らない。火はきれいだから、知識がないと触ってしまうのです。
また、メーカーは安全装置と称してライターや点火棒を使いにくくして、子どもを火から遠ざけている。これは保護者の教育不足でもあります。そもそも保護者の野外体験が不足しており、子どもの経験不足も生じているのです。
小学校の時、野外活動に行き、火起こしなどを行うする活動もありましたが、現在はできないという大人が多い。
これまでは子どもだけを見てきましたが、目線を変えていく必要があります。

藤岡: では、三番目の問題は?

高井: 2016年度から計画している、獣害駆除についてです。
岡山校では、子どもたちの植えた農作物が動物に食べられてしまう問題があります。電気の柵を置かないと対処が難しいのです。車もよく鹿にやられるので困っています。

被害防止のために活躍が期待されている猟師さんも、減少している状況があります。
そこで、食肉解体場をセットにして流通させて、これが食育体験になればなあと思っています。
最近では駆除に対して金銭的補助があり、鹿を1頭狩れば2万円。しかし、これだけでは仕事になりません。狩られた鹿は、そのまま埋められて終わってしいます。
そこで、肉を解体、買取して食肉としての流通・居酒屋ホテルなどで流通が回るような仕組みができないかと思うのです。
例えば、かつて京都大学消費生活協同組合(生協)のレストランでは「鹿カレー」が提供されていたということですが、そのような取り組みです。

組織の継続的運営に向け、仕組みづくりを模索

のあっく自然学校 高井啓太郎氏

藤岡: 現在は一般社団法人にしておられますが、株式会社でもできる内容ですよね?

高井: 実は、株式会社も作っているんです。NPOは融資を受けにくいですから。
古民家の支払いが遅れたことはなかったのですが、東日本大震災でやられました。
いろいろな情報に踊らされてスキーキャンプは全部キャンセルされてしまい、400万の赤字になったこともありました。
すると、融資は出ませんでした。NPOは信頼性が低いということなのでしょうか。

藤岡: NPOに、金融機関から融資が出る仕組みを作ること。
少しずつNPOへの融資が進んでいますが、企業との協働がもっと必要ですね。企業との共同が進めば、NPOに対する考え方を金融機関が変えていくと思います。事業形態を作り、うまく運営していくことが必要ですね。

高井: さまざまな方たちと協働するためには、柔軟な考え方を持ったトップが必要だと思います。

個人が意識を変えれば、世の中はよくなる

藤岡: 私は「国境なき教師団」という活動をしています。
寄付を募り、教師の質の向上を求める国へ、日本からベテランボランティア教師を派遣したり、教員・教科書・教育システムの構築を行ったりと、発展途上国の教育レベルの向上のために活動しています。
必要なのは建物じゃない。建物では国の教育レベルは上がりません。

カンボジアには先生がそもそもいないのです。建物や設備の充実よりも、実際に指導する教師の質の向上が求められています。なぜなら教師の質を向上することが、国を担う次世代の人材の質の向上につながるからです。

私は東日本大震災後、カンボジアへの寄付を非難されました。「今は日本優先だろ!」と。震災の影響で、一時的には日本が苦しむかもしれない。しかし、カンボジアは一年中ずっと苦しんでいるのです。ですから、私はカンボジアへの寄付を止めません。日本には寄付という文化がない。文化にしないとダメ。
私は、寄付の原点は個人だと思っています。企業の寄付は宣伝行為。企業の規模の割に小さい金額しか寄付しない。反面、米国では個人寄付が多い。

かつて、本田技研工業がアメリカに進出した時、現地の方が日本車をあまり買わないことに、「なぜ?」と聞いたら、「社会貢献していないから」と言われたそうです。
ですから、本田技研工業の社員はニューヨーク市のセントラルパークを掃除し始めたのです。「HONDA」のTシャツを着ながら。これは単なる宣伝行為に過ぎない。現に、売名行為だと当時の米国で叩かれました。
会社は社会の公器なのに、会社は株主のものだという間違った考え方でおかしくなっている。
だから儲かったら自分のために使う。社員の給料増やすようなことはしません。

人生は、プラスマイナスゼロでいいと思うのです。誰かから恩を受けて、引き継いでもらう。これを、私は全部自費でやっています。
日本の1億円は、カンボジアの20億円と同じくらい価値がある。すごく感謝されます。
個人が意識を変えれば、世の中はよくなるのです。

株式会社もNPOも経営していくことは同じですが、企業にはセーフティネット(経済的なリスクが発生した時、最悪の事態から保護する仕組み)があります。だから甘え、すぐ潰れてしまうこともあり得ます。
本当の意味でのセーフティネットは必要です。ですから会社、NPOはつぶれてはいけないのです。
個人の上に犠牲が成り立つなら、今はNPOに入るのは損です。上場企業に入ると、NPOにも寄付できる。「上からなら入れる」仕組みですね。

また、公平分配という考え方は昔から日本にあったものです。偉い人が民衆にひどいことしたら、民衆は百姓一揆とかを起こしてで反発してきました。

戦争は課税の重さによって起こるのです。争いをなくすには、負担を軽くして永続的に活動できるようにするのです。社会的活動と企業の活動は同じなんだ、というようにしたい。
私はすごく努力しています、その辺の社長の比じゃないくらい。
世の中の経営者には、いい加減な方も当然います。
中小企業・零細企業の9割は税金を納めていない。NPOと同じです。法人税は40兆円しかない、これらはすべて社会保障に消えている。中小企業がそれぞれ1億円を計上してくれればいいのです。
最大の資本は信頼・信用。NPOの力で、企業の信頼上げてやればいいと思います。

NPOとの協働はコストではなく投資

藤岡: このままの構造だと、少数にお金のほとんどが集まってしまう。中間層作って水準落とす、中間層作って水準落とす、の繰り返しが国の政策によって行われています。
年収1億円以上の人たちは税金下がる、それはおかしい。仕組みを考えてるのがその層の人たちだから、そのような仕組みになってしまうのです。
企業家が目覚めるしかない、そのためには社会に役立つこと。例えば、昔つぶれそうになった饅頭屋が寄付によって助けられた。これが本来あるべき姿。

社長とかが贅沢してるから、会社が潰れたらむしろ、ざまあみろとか言われてしまうのです。社長が贅沢するのは税金で持っていかれてしまいたくないから。「どっちみち国に取られるなら贅沢に使おう」となってしまう。「お金が取られる」という感覚の課税システムが悪い。社会のための企業という意識を作るのです。

法律を変えると、つまり納税する代わりに自分の力で寄付するような仕組みにすると、自分が社会の役に立っているという実感が湧くはずです。
このような法律を数年で成立させたい。利益を出したら、それだけ社会の役に立ち、幸福感に満ちる。社員のモチベーションも上がる。
「○○株式会社の寄付によって作られました」と表示すれば、そこで働く親の子どもすらも誇らしくなる。
社会貢献を身体で分かる必要がある。どんどん企業家に出会ってほしい。
NPOとの協働はコストではなく投資。子どもたちが幸せになればいい。
利益出して、それを社会貢献へ。今はその道がない。実現させるには、社会を変えるしかない。
日本中の飲み代で、日本の貧困は救えるのです。
現在のように、一握りの大成功者が寄付をしているのでは、一般市民には参考にならない。その辺の人にやってほしい。

「努力することは社会のために役立つこと」を子どもたちに教えたい

高井:海外では寄付した人をたたえる風習がありますが、日本ではむしろ「恰好つけやがって」となりがちです。

藤岡: 町のおっさんがそんなこと(寄付)してたら、子どもが「大人になったらああいうふうになりたい」と思うはずです。経営者というものがどんなものかを分かってきます。

経営者が教育を始めませんか。生きる意味、意義、勇気 なぜ勉強するのか、それは自分が困難に出会いそれを克服しながら社会の役に立つため。
このままでは、何のために努力するのかも伝えられない。努力することは社会のために役立つことで、何より自分自身が成長する。社会の役に立つためにやってるってのを子どもに教えていったら世の中はきっとよくなる。
これは一つの生きる教育。未来を作るのは子ども。
どうやって次の世代に恩を送るか、志を継いでもらうか。そういうのを教育という範囲の中で作りたい。

私は「公益資本主義推進協議会」の副会長ですが、世界の資本主義を変えようと活動しています。今後は、世界で今の資本主義に疑問を持っている名だたる方々をお呼びして、「これからの世界」というシンポジウムをやりたいと思っています。
一人の考えがこういう形を生み出していく。このような人たちに何かあったら、その時は金融機関がセーフティネット張ってあげる。社会の役に立ってる人たちは助けないと。数字だけじゃない。「我々の結果は未来に出ます」と堂々と言える社会にしたい。

二十年後の決算書を想像しなさい。私は、1年間で1万人の社長と会っています。これを私はこなしていて、去年はもっとやった。
この活動を続ければ、10年間で10万人。それを10人でやれば100万人。
世の中は、人間は無力だと思っているかもしれないが、それは大間違い。人間のような崇高な存在はいない。
教育がいけない。大肯定感の社会を作る。うつ病とかなくなる。「何となく不安」をなくせる。
これらの活動を、自分自身が志を持って、逃げずにブレずに続けていきたいと思います。ぜひ、これからもよろしくお願いします。

のあっく自然学校 高井啓太郎氏 公益資本主義推進協議会 藤岡俊雄氏

プロフィール 高井啓太郎氏

一般社団法人のあっく自然学校 代表
大阪府出身。5歳から長野県白馬村にてキャンプ活動、スキースクールに通い野外活動の基礎を学ぶ。以来、野外活動をこよなく愛し、大学入学後に京都の学習塾「成基学園」のキャンプカウンセラーとして、指導者の道を歩み出す。
同時に寝屋川市野外活動センターの指導員としても活動し、指導者としての技術、知識を学ぶ。
自然環境の雄大さ・怖さ・大切さを次世代につなぐため、「のあっく自然学校」を設立。
龍谷大学大学院 NPO地方行政コース修了。http://www.noac.jp/

インタビューア 藤岡俊雄氏

藤岡俊雄一般社団法人 公益資本主義推進協議会 アドバイザー
1961年大阪府生まれ。2002年より、株式会社シーエフエス 代表取締役。
2010年より「大久保秀夫塾」代表世話人に就任し、全国経営者320社の構築 「在り方」をテーマに、東北・関東・中部・関西・中四国・九州で塾の開催を続けている。
2012年に「経営実践研究会」を創設し、理事長就任。全国の経営者(現在約150社)に講演会を通じ、公益資本主義を伝道するため活動している。
2014年、「公益資本主義推進協議会」を発足し、2017年までに10,000社の企業組織を構築するため、全国で活動を続けている。

 

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